スズキとお客様のコミュニケーションマガジン

検索ボタン
ライフ

コーヒー豆知識 Vol.3 “コーヒーマイスター”に聞く コーヒーを美味しく楽しむ方法

コーヒー豆知識 Vol.3 “コーヒーマイスター”に聞く コーヒーを美味しく楽しむ方法

第1回、第2回とコーヒーの豆知識をお届けしてきましたが、自分で豆を選んだり、淹れてみたりするのはちょっと難しそうな印象を受けたかもしれません。
そこで今回は、コーヒーの専門家に美味しく楽しむポイントを教えてもらいました。

ご指導くださったのは、70年以上の歴史を持つ「本格自家焙煎珈琲専門店トクナガ」の3代目、コーヒー王子こと徳永裕人さん。
コーヒーの楽しみ方、美味しさを伝えるコーヒーマイスターの資格を持ち、カルチャーセンターなどで講師を務めている、まさにコーヒーの先生。加えてラテアートの達人でもあります。あいさつがわりにこんなラテアートを披露してくださいました。

ラテアート

あっという間にかわいい絵が完成。スズキの「S」マークも!

それではさっそく、コーヒーを美味しく楽しむ方法をたっぷり教えていただきましょう。

―――自分好みの味を知るには?

まずは、どうすれば、自分好みの味を知ることができるのか聞いてみました。
徳永さん曰く
「やっぱり一番いいのは、コーヒー専門店に行って飲み比べすることですね」
とのこと。

コーヒー豆を説明する徳永さん

徳永さん:専門店は、コーヒー豆の種類も豊富で、生産地の特徴や個性を知ることができます。
そして、コーヒー豆は焙煎度合いによっても味が変わってきます。浅煎り(酸味)、中煎り(バランス)、深煎り(苦味)の大きく分けて3つの焙煎度合いの豆を選択することができます。コーヒー豆は焙煎すると、風味が時間と共に熟成され変化します。それを「エイジング」と言って風味の移ろいを楽しめます。

焙煎直後のコーヒー豆は大量の二酸化炭素(アロマ等含む)を放出します。よくコーヒーを抽出するとハンバーグの様に気持ちよく膨らみますよね。見た目はとても美味しそうに見えるのですが、二酸化炭素の影響でコーヒー粉から成分を取り出せない状態でお湯だけが透過してしまいます。 安定した抽出を求めるならエイジング(3日程度保存)させてからドリップすると味わいが安定してきます。

専門店では種類の多さに圧倒されるかもしれませんが、そこはお店の方の話を聞いたり、少量ずつ買って、それぞれの味の違いを飲み比べてみたりするのも楽しいものです。

カップに入ったコーヒー豆

左から浅煎り〜深煎りの豆。焙煎の度合いによってこんなに豆の色味も変わってきます。
下はそれをミルで挽いたもの。浅煎りは細挽き、深煎りは中挽きです。

まずは知っておきたいコーヒー豆について

―――シングルオリジン、ブレンドの違いは?

徳永さん:単一農園、精製処理場単位で生産されたコーヒー豆からなるものを「シングルオリジン」と呼び、複数の種類のコーヒー豆の個性を組み合わせ、配合したものを「ブレンド」と呼びます。
「シングルオリジン」は、生産国や銘柄ごとに味の違いが楽しめるため、豆の個性を知って楽しむにはベスト。自分好みの味を探るならシングルオリジンで飲み比べてみるといいかもしれません。
一方「ブレンド」は、複数の種類の豆の特徴を組み合わせることで、バランスの取れた安定した味わいを楽しむことができます。よくカフェのメニューにある「オリジナルブレンド」は、そのお店独自の組み合わせで配合された豆で淹れたもので、お店のこだわりが感じられるメニューですね。

―――初心者におすすめの豆って?

「一概にはコレ!と言えませんが、例を挙げるなら・・・・」と徳永さんがおっしゃるには、「浅煎りと深煎りの中間にある中煎りの豆は酸味と深みが混ざったちょうど良い味わい」で初心者向けと言えるそうです。

徳永さん:甘めが好きな方であれば、ブラジル産のコーヒー品種(ブルボン種、ムンドノーボ種)がおすすめ。チョコレートのような甘さとコクが口の中に広がります。
香りを楽しみたい方であれば、フローラルと表現されている「エチオピア」や「パナマ」産の豆がおすすめ。軽やかなジャスミンやローズなどの風味が楽しめます。
酸味を楽しみたい方であればフルーティと表現される「コロンビア」や「グァテマラ」、「ケニア」産の豆がおすすめです。ジューシーでバランスの取れたスッキリした味わいが楽しめます。

―――コーヒーを保管する場所は?

徳永さん:「冷凍庫」の保管がベストです。コーヒー豆の劣化を止めるのではなく、遅らせるだけです。コーヒーは炭と同じ様なハニカム構造で「脱臭剤」のように香りを吸ってしまいます。冷蔵庫は開け閉めの頻度が多く、様々な食材があるのであまり推奨しておりません。

(粉の場合)
3日以内・・・常温でもOK
1週間以上・・・冷凍庫がベスト ※冷蔵庫はベター
2週間以上・・・冷凍庫がベスト

(豆の場合)
2週間・・・常温でもOK
2週間以上・・・冷凍庫がベスト ※冷蔵庫はベター
1ヵ月以上・・・冷凍庫がベスト

―――酸化・劣化したコーヒーはどんな味?

徳永さん:コーヒー液が冷めた時に大きな差が出ます。簡単に言うと「酸化した味」「ぼけた」といった印象になります。 一概には言えませんが、この酸化したコーヒーの「酸味」を感じて敬遠される方が多いかもしれません。
※本来のコーヒーの酸味は、とても心地よい「フルーツやハーブ」の様な味わいなんですよ。

―――保存するときは何に入れる?

徳永さん:コーヒー豆は酸素に触れると酸化反応がおきますので、できるだけ袋内の「空気を抜いた状態」で密閉保管すると良いです。また、光(紫外線)の遮断も大切です。 当店では保存袋として「ジップ・バルブ付きのアルミ袋」を採用しています。ガラスの容器での保管(常温状態)は推奨しておりません。

―――なぜ挽いたコーヒー(粉)はフレーバーが弱くなるの?

徳永さん:コーヒー豆は粉に挽いた瞬間から香りが飛び、酸化や劣化が始まります。 豆と粉では表面積が数百倍ほど違うので味わいにかなり影響します。
① 「香り成分」が飛んでしまうと脳に伝わる情報量が少なくなり、結果「味わい」に影響を及ぼします。
② コーヒー粉の酸化が進行した場合は「酸化した味わい」「ぼけた」味わいに変化します。

美味しいコーヒーの淹れ方

コーヒー豆と粉について学んだところで、次に気になるのがその淹れ方。
まずは一般的なペーパードリップ式の淹れ方について教えていただきました。

ペーパードリップ式

<用意するもの>(以下の分量はおよそ2杯分を入れる目安です)
コーヒーミル、ドリッパー、ペーパー、ケトル(コーヒー用の細い口のものが理想)、カップ、計量器具
コーヒー豆20g、90℃のお湯300ml

<ポイント>
抽出比率が大切です。
※抽出比率(ブリューレシオ)とはコーヒーの粉量を1とした時、使用する湯量がどのくらいなのかを数字で表したもの。
今回は中挽きなので1:15を基準としています。
お湯は5回に分けて投入しますが5回とも同じ湯量で。
・中煎り~深煎りの場合 → 1:15
・浅煎りの場合 → 1:17

今回は、一番簡単な方法を説明します。

  • コーヒー豆20gをコーヒーミルで挽く。(お店で挽いてもらっても可)
  • ペーパーフィルターをドリッパーに乗せる。
  • ドリッパーとペーパーフィルター、サーバーを湯通して温めましょう。
    ※お湯を捨てるのを忘れないように注意しましょう
  • ドリッパーとフィルター

  • コーヒー粉をドリッパーに投入。このとき、コーヒー粉は平らになるようにします。
  • 90℃のお湯60mlを回転させながら粉全体に行き渡るように細く注ぐ。(1投目)
  • 1投目のお湯を注ぐ

    <ポイント>
    「1投目は粉全体にかかるように細く注ぎましょう。蒸らしはコーヒーの準備運動のようなものです。蒸らしをすることでコーヒー粉に含まれる二酸化炭素を十分に放出させて、成分を出しやすくします。また、お湯をペーパーにかけないように注意しましょう。お湯が外に抜けてしまって薄いコーヒーになってしまう可能性があります。」

  • 1分経ったら60mlのお湯を注ぐ(2投目)
  • 2投目のお湯を注ぐ

  • 1分30秒で再度60mlのお湯を注ぐ(3投目)
  • 2分で再度60mlのお湯を注ぐ(4投目)
  • 最後は雑味が出やすいので、中心を狙ってストレートに残りのお湯を注ぐ(5投目)
  • <ポイント>
    おいしい成分は前半に抽出されているので、後半は濃度の調整と考えてコーヒー粉にストレスを与えない様に注ぎましょう。

  • <合計2分30秒>美味しいコーヒーが入りました!

コーヒー画像

<まとめ>
① 粉量とお湯の量はきちんとはかり、抽出比率を大切にする
② 蒸らし時間を長くすることで抽出効率UP
③ 注湯する間隔を30秒ごと

蒸らし時間を長くするだけで抽出効率がアップ!

<バリスタのテクニック>
抽出したコーヒーが濃く感じた時は、お湯を足すことでスッキリ美味しくなります。
目安は湯量を5%程度(15g)足すだけ。バリスタも使われるテクニックです。

美味しいコーヒーを淹れる際に1番のポイントになるのが、蒸らす時間(投数と投数のあいだの時間)と最後の抽出完了時間です。抽出時間が短いと、成分が溶けきれず物足りなさが出てしまい、反対に長いと成分が溶け出しすぎてしまい、雑味や苦味のもとになります。
1投目の蒸らし時間を40秒にしたものと、1分にしたものを飲み比べさせていただきましたが、びっくりするほど味が変化します。

徳永さん:コーヒーの味は繊細ですが、自分好みの味に調節することもできます。
ぜひ投数や抽出時間を調節して味の違いを感じ、自分好みのコーヒーのドリップスタイルを見つけてみてください。

味わいとコクの表

初心者でも使いやすいフレンチプレス式

日本では紅茶を淹れる器具として普及したフレンチプレスですが、実はドリップタイプよりも簡単で、しっかりしたコーヒーが飲めるとのこと。フレンチプレスでの淹れ方もお伺いしました!

フレンチプレス

<用意するもの>(以下の分量はおよそ2杯分を入れる目安です)
コーヒーミル、フレンチプレスコーヒーメーカー、ケトル、カップ
コーヒー豆20g、沸騰したお湯300ml

  • コーヒー豆20gをコーヒーミルで挽く。(お店で挽いてもらっても可)
  • 挽いた豆粉をフレンチプレスに入れる。
  • 沸騰したお湯を半分くらい入れる。
  • コーヒー粉を30秒蒸らす。
  • 再度8分目までお湯を注ぐ。※目安としてプランジャーをセットできる位置までお湯を注ぐ。
  • フレンチプレス

    <ポイント>
    「この時フレンチプレスの蓋は外したままにしておきましょう。蓋を外しておくことで、液体の対流が起こり抽出効率が良くなります。」

  • 3分そのまま。
  • 蓋をしてプランジャーをゆっくり押していく。
  • フレンチプレス

  • <合計3分30秒>カップに注いで出来上がり。(細かいコーヒー粉が気になる場合は写真のように茶漉しを使用)

特別な器具がいらないコーヒーバッグ

徳永さん:ペーパードリップ式やフレンチプレス式のほかにも、手軽にコーヒーが楽しめるティーバッグスタイルのものもあります。
これはペーパードリップ式をよりシンプルにしたもので、パッケージから取り出してカップにセットし、お湯を注ぐだけです。ドリッパーなどの器具がなくてもコーヒーを淹れることができます。

コーヒーバッグ

コーヒーの楽しみ方はさまざま

「自分が選んだ豆を、コーヒーミルで挽いて・・・」と、なんだか美味しいコーヒーを自分で淹れてみたくなってきませんか?
自宅で楽しむだけでなく、例えばドライブ先で秋空の下、お気に入りのカップや道具を持参して、自分だけのコーヒータイムを楽しむなんていうのも素敵ですね。

徳永さんのアドバイスを参考に、次回は「自分でコーヒーを淹れて楽しむ」体験に挑戦してみたいと思います。お楽しみに!

今回ご協力いただいたトクナガコーヒーさん



コーヒー王子こと徳永裕人さんは北矢部支店に常駐されています。

タグ: